パワーアシストスーツの問題点はどこに？メリットデメリットまとめ

あらゆる作業姿勢に効果を発揮

パワーアシストスーツに興味はあるけれど、どのようなメリットやデメリットがあるのか気になりますよね。

本記事では、パワーアシストスーツの基本概要や、さまざまな業界での活用事例を紹介した上で、具体的なメリット・デメリットを解説します。

記事を読むことで、あなたが抱える問題点や課題に対して、パワーアシストスーツがどのように役立つのか、また導入を検討する際の注意点を把握することができます。

最後に、補助金やサポート制度の活用方法も紹介しますので、ぜひパワーアシストスーツ導入を検討する際の参考にしてください。

パワーアシストスーツ(PAS)の魅力と課題

パワーアシストスーツは、腰や身体への負担を軽減することを主目的とした補助装置であり、労働現場などで大変重宝されています。

しかし、動力を用いるものであっても、あくまで元の筋力以上の力を生み出すタイプのものではありません。

それでも、多くのメリットが存在する一方で、課題も抱えています。

魅力的な側面として、作業効率の向上や作業者の負担軽減が挙げられます。

さらに、腰痛や肩こりの予防にも効果が期待され、多くの業界で活用されています。

一方、課題としては、製品の価格や種類、デメリットに関する情報が不足していることが挙げられます。また、

最適なパワーアシストスーツの選び方や活用方法についての情報も充実させる必要があります。

パワーアシストスーツの基本概要

パワーアシストスーツは、腰や身体への負担軽減を目指した補助装置です。主に、重い荷物を持ち運ぶ作業や、長時間の立ち仕事で腰や筋肉に負担がかかる場面で活用されています。一般的なパワーアシストスーツは、腰部や筋肉をサポートする機能を持っており、身体に装着して使用します。

パワーアシストスーツは、パワードスーツと混同されることがありますが、両者は異なります。パワーアシストスーツは、筋力の増強を目的としないため、ただ身体に負担をかけずに作業を進める目的に主眼を置いています。

さまざまな業界での活用事例

 パワーアシストスーツは、物流や製造業の作業現場だけでなく、介護や農業などあらゆるシーンで活躍しています。製造・工場・倉庫・介護・農業・漁業・立ち仕事・育児など、多岐にわたる業種業態で普及が広がっているのが特徴です。

活用事例としては、介護現場での介助作業や農業現場での収穫作業、工場や倉庫での荷物運搬作業などが挙げられます。これにより、作業者の負担軽減や効率向上が期待できます。

人間の動きをサポートする原理

パワーアシストスーツが人間の動きをサポートする原理や目的は、開発メーカーによってそれぞれ異なります。

パワーアシストスーツの開発はまだまだ発展途上であり、今後さらに分化し進化していくことでしょう。

パワーアシストスーツのメリット・デメリットはどこに？

パワーアシストスーツは、腰や身体への負担を軽減することを目的とした補助装置です。

これに対して、筋力を増強するパワードスーツが存在します。

以下では、パワーアシストスーツのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

パワーアシストスーツのメリット

パワーアシストスーツは、作業における筋肉の負担を軽減し、労働者の身体への負担を減らすことができます。

これにより、従来よりも長時間の作業が可能になり、作業効率の向上が期待できます。

また、腰痛や肩こりなどの労働者の健康問題も軽減されることがあります。

これがどういうことか？

詳しく見ていきましょう。

労働者の負担が軽減されると業務効率向上につながる

作業時間の違い

引用：【サポートジャケット（Bb+PRO）】三井化学株式会社様の声 動画内より

パワーアシストスーツの労働負担軽減効果は、業務効率向上にもつながります。

腰や筋肉への負担が軽減されることで、従業員はより長時間働くことができ、業務効率が向上するとともに、健康面での問題も軽減されます。

私自身、愛用していますが、明らかに動けるようになりました。

従業員の安全と健康を守ると…？

労働者は給料が大事なのは当たり前ですけれども、それ以上に自分の身体と健康が大事です。

仕事を続けることで、腰痛に悩まされてしまうようでは、先々に不安を覚えてしまうことでしょう。

「腰が痛くなるから作業がイヤだな…」

こう感じてしまっては、仕事自体がイヤになってしまいます。

これを防ぐことで、離職防止、ひいては採用費の削減につなげることになります。

高齢者や女性の働き手も活躍可能

パワーアシストスーツは、高齢者や女性の働き手にもメリットがあります。

物流や製造業の作業現場だけでなく、介護や農業など様々な業種で活躍しており、力の弱い労働者でもパワーアシストスーツの活用により、同じ作業を行うことが可能になります。

これにより、労働力不足の問題への一助となることが期待されます。

パワーアシストスーツは経費計上可能

腰痛予防や治療には、どうしたってお金がかかります。

サポーターや鍼灸マッサージ、整形外科の診療費…

根本的なお話で、治療費や銭湯代などは実費が当たり前ですが…

パワーアシストスーツは経費計上が可能です。

※個人で払うのを制限することではありません。

作業服などと同じで、福利厚生費や消耗品費で大丈夫です。

※不安があれば、税理士さんにご確認ください。

そもそもが国においても、実証実験や現場検証、導入の推進を進めている事業です。

パワーアシストスーツ技術は、XR技術やドローン技術、自動運転技術などと同様に、人間拡張技術のひとつとして数えられています。

もしかしたら、着用が義務付けられる未来もあるかもしれない先端技術なのです。

導入のために、短期的な経費がかかるのは痛手かもしれません。

が、自らや従業員の健康を守り、労働人員の安定的な確保という長い目で見れば、非常に安いものだと言えます。

こんなことを言っては、元も子もないですが…

やはり自分の財布のヒモより、会社の財布のヒモの方がゆるいもの。

自分で3-5万出して見たことも使ったこともないものを試すのは気が引けますが、会社の経費として3-5万を計上して試すのでは気持ちが違いませんか？

いきなり全員分5着も10着も用意するのは大変ですが、まずはお試しで1着試してみるのは難しい話ではないでしょう。

パワーアシストスーツのデメリット

パワーアシストスーツはとても便利で革新的な技術ですが、万能ではありません。

デメリットも少なからず存在します。

今後、払しょくされ、普及が加速していくかもしれませんが、現時点で存在するデメリットを確認しましょう。

アイアンマンになれるわけではない

どうしてもパワースーツ、パワードスーツなどと聞くと、マーベルヒーローのような超人的な力を発揮できそうに思えてしまいます。

今後、そういったものが登場することはあるかもしれません。

あるかもしれませんが、まずは軍事利用が先でしょうし、その価格は桁が違うこと間違いないでしょう。

現在、市場に出回っているパワーアシストスーツは、どれだけ高価な商品であっても超人になれるものではないということを覚えておきましょう。

高い？安い？パワーアシストスーツの値段

パワーアシストスーツの価格はまさにピンキリです。

市場に発売されてきた当初よりも低価格化は進んできている傾向ではありますが、それでも、1着数万円～という価格であり、上を見れば青天井な金額です。

やはり試したことのない商品を、数万円出して買うのはためらわれてしまう、というのが普及率の足かせになっていることでしょう。

数百グラム～数キログラム｜着用すると重いのは何キロから？

パワーアシストスーツの重量には、登場当初よりも小型軽量化は日進月歩で進んではいるものの…

どうしても重いものは重いです。

重量も価格と同じで幅があるので、一概には言えませんが、重いものだと5キロ近くあるものもあるので、アシスト力以上に疲労を感じてしまうデメリットがあるのです。

対して軽量のものですと、600グラム程度のものもありますので、それらでしたらデメリットにはなりません。

装着が面倒でわずらわしい？

商品によって装着方法が異なるので、一概には言えませんが…

確かに普通に仕事をするよりも、ひと手間が増えるのは間違いありません。

ただし、個人的な感想で言えば、「ネクタイを締めるくらいのわずらわしさ」くらいかな、と感じています。

慣れないうちは、ちょっと面倒だけど、慣れるうちに何も感じなくなるくらい、ですね。

↓のタイムは私が愛用しているサポートジャケットBb+FIT WIDEを装着した時のタイムです。

計測時の使用期間は1か月程度。

装着時間

これを面倒と見られてしまうのであれば、それはもう致し方ないですが、1分とかからず装着が完了します。

脱ぐ時はもっと早いです。

はかれば良かったですが、あまりに自然に脱いでしまい、計測を忘れてしまいました。

おそらく10秒ちょっとで外せているでしょう。

個人の感想で言えば、めちゃくちゃ簡単です。

類似品や種類が多すぎて選びにくい

引用：国土交通省 パワーアシストスーツ 種類

 パワーアシストスーツの機能や性能には個々のメーカーによって大きな差があり、最適なスーツを見つけることが難しいことがあります。

商品ジャンル的には、腰を守るものが多いですが、そのほかにも、腕や足だけに装着するものや、歩行を目的とするもの、同じ立ち姿勢を維持することを目的としたものなど、多岐にわたります。

自らの作業にあわせての選択が必要となるわけですが、さらに悩ましいのが動力の有無や、外骨格型、人工筋肉型など、仕組みや技術が違う様々な種類があることです。

もっとも重要なのは価格ではありますが、許容できる範囲であっても、様々な商品があります。

選べるのはメリットではありますが、あまりに類似品が多いというのはデメリットかもしれません。

装着時が暑い？

もちろん、何も着ていないよりは複数部分を覆うことになるので、多少は暑くなるでしょう。

しかし、身体を動かす仕事が前提の商品です。

たいていのもので、清潔に保つため、洗濯やメンテナンス方法が確立されています。

空調服を重ねることができる商品も多くあります。

パワーアシストスーツの問題点はどこに

アシストスーツは、作業者の負担を軽減し、効率を向上させるために導入されることが増えています。

しかし、導入コストや機能性には課題があります。

たとえば、アシストスーツには動力タイプと非動力タイプがありますが、動力タイプは非動力タイプに比べて高価です。

そのため、会社は導入に際して慎重に検討する必要があります。

一部業種に対しては補助金制度がありはしますが、まだまだ十分とは言えないことも問題点と言えるでしょう。

1.導入コストが高い！

デメリットでも書きましたが、やはり導入コストが非常に高い点があげられます。

動力付きの1着50万円とか100万円とかするものをホイホイと導入できません。

それに個人経営でなければ、1着だけ導入しても意味がありません。

従業員の数だけ確保するためには、どうしてもコストがかさんでしまいます。

仮に非動力タイプのもの1着5万円のものを10着導入しても50万円ですからね。

ホイホイと決済はしにくいでしょう。

2.導入補助金が限定的

一部業種や年齢条件などによって補助金制度が設けられてはいるものの、まだまだ十分な体制が整っているとは言えません。

働く人の安全と健康を守るために、今後はさらに補助金制度が拡充していく可能性は残すものの、現段階では問題点として数えてもしかたないでしょう。

パワーアシストスーツ導入に対し、もっと幅広い補助金制度が登場することで、爆発的に普及が進む未来もあるかもしれません。

価格と品質の担保

また、機能面についても注意が必要です。

例えば、サポートジャケットBb+シリーズは、東証スタンダード上場企業である株式会社ユーピーアールが金沢大学と共同開発・販売を手掛けており、企業としての信頼度は抜群です。

ただただ類似品をOEMとして販売しているパターンや、黎明期とも言える現在、すでに販売を取りやめてしまった企業も後を絶ちません。

また性能面においても、その機能が十分に担保されているのか？十分な研究、実証データが取れているのか？確認する必要があります。

サポートジャケットにおける第二の背骨Bb+(バックボーンプラス)は、ジャケット背面に装着することで理想的な姿勢を保ち、作業に伴う前かがみの姿勢を抑えることで腰への負担を軽減します。

しかし、こういった機能を十分に発揮できる製品がすべての価格帯で提供されているわけではありません。

よって、予算に見合った性能のスーツを選んで活用することが重要になります。

現場で活躍するアシストスーツ導入事例

様々な現場でアシストスーツが導入されており、その効果が実感されています。以下は、いくつかの導入事例です。

アシストスーツは、さまざまな現場での労働環境改善や作業効率向上に貢献しており、今後もその活用が広がることが期待されます。

物流業界でのアシストスーツ活用法

物流業界では、重い荷物の運搬や長時間の立ち仕事が多く、従業員の身体への負担が大きいため、アシストスーツが役立ちます。アシストスーツを使用することで、腰部の負担軽減や筋肉への補助力が得られ、身体の疲労が減少します。

また、アシストスーツは作業効率の向上にも寄与し、作業時間の短縮や労働事故の防止にもつながります。例えば、倉庫での荷物の運搬作業や梱包作業など、アシストスーツを活用することで、従業員の働きやすさが向上します。

導入時には、スーツのサイズや機能など、従業員のニーズに合った選択が重要です。適切なアシストスーツを選ぶことで、物流業界での働きやすさと効率が向上し、企業と従業員の双方にメリットが生まれます。

製造業で効果を発揮するアシストスーツ

製造業では、重量物の取り扱いや長時間の作業が多く、アシストスーツは身体への負担を軽減する効果が期待できます。また、精密な作業や繊細な動作も必要とされるため、アシストスーツの力の補助機能が大いに役立ちます。

製造現場でアシストスーツを用いることで、作業者の姿勢維持や筋肉疲労の軽減が図られ、作業効率が向上します。さらに、アシストスーツは労働災害のリスクを低減し、安全面でもメリットがあります。

一方、製造業は様々な分野がありますので、導入する際は、使用環境や作業内容に応じたアシストスーツの選択が重要です。適切なアシストスーツを採用することで、製造業の現場での効果が最大限に引き出されます。

介護現場でのアシストスーツの導入例

介護現場では、利用者の介助や身体移動のために、職員が多くの力を必要とする作業が日常的に行われます。アシストスーツの導入は、介護職員の腰や肩などへの負担軽減、筋力のサポートに役立ちます。

例えば、腰部への負担を軽減するタイプのアシストスーツは、ベッドから車いすへの移乗介助や、立ち上がりのサポートに活用できます。また、アシストスーツは作業効率の向上にも寄与し、職員の疲労軽減につながります。

導入にあたっては、スーツの機能やサイズ、利用者のニーズに合わせた選択が重要です。適切なアシストスーツを選ぶことで、介護現場での働きやすさと利用者の快適さが向上します。

農業分野におけるアシストスーツの活用

農業分野では、長時間の中腰作業や重い荷物の運搬が日常的に発生します。アシストスーツを活用することで、農作業者の腰や筋肉への負担を軽減し、作業効率が向上します。

例えば、収穫作業や草刈り作業での中腰作業には、腰部への負担を軽減するアシストスーツが適しています。また、獣害対策のための重量物運搬や、畑作業での移動にも、力の補助機能を持ったアシストスーツが役立ちます。

農業現場においても、アシストスーツの選択は重要です。作業内容や必要なサポート力に応じた適切なアシストスーツを選ぶことで、農業作業の効率化や労働災害のリスク低減が実現します。

補助金やサポート制度の活用方法

パワーアシストスーツを導入する際には、補助金やサポート制度の活用がおすすめです。

これらの制度を利用することで、導入コストを軽減することが可能です。

また、補助金やサポート制度は、労働者の安全性や労働環境の改善を目的としていますので、パワーアシストスーツを導入する企業に対して、積極的に支援が行われています。

さまざまな制度が用意されていますので、自社の状況に合った制度を検討し、効果的なパワーアシストスーツの導入を目指しましょう。

代表的な補助金の種類

補助金や助成金の申請方法

補助金や助成金の申請方法は、まずは対象となる補助金・助成金の詳細を調べましょう。

例えば、アシストスーツの導入に関連するものや、労働者の負担軽減を目的としたものが該当します。

次に、申請書類を用意しましょう。これには、事業計画書や予算書など、助成金・補助金を活用するための詳細情報が記載されていることが重要です。

また、申請先の窓口や締め切りも把握しておくことが必要です。

助成金・補助金の種類や対象となる者によっては、申請期間が限られている場合がありますので、注意が必要です。

申請書類の作成や手続きに関しては、専門家のアドバイスやサポートが役立ちます。

たとえば、助成金に関するコンサルタントや行政書士などがサポートを提供しています。

最後に、審査が通過したら補助金・助成金を活用し、アシストスーツの導入や現場環境の改善に努めましょう。

メーカーによるサポート体制

アシストスーツを提供するメーカーのサポート体制は非常に重要です。

購入前には、メーカーが提供するサポート体制を確認しましょう。

例えば、製品の取り扱い説明や研修、アフターサポートが充実しているかどうかをチェックします。

web販売のみで、実店舗を持たないメーカーや、問合せフォームが見当たらないメーカーなどは絶対にやめておきましょう。

また、製品の機能について理解を深めるための資料や、実際に製品を使用する際のデモンストレーションも参考になります。

ランバーサポート機能を有するアシストスーツの場合、腰を安定させるための大きな腰ベルトが背骨や筋肉を包み込み、腹圧を保ち、作業時の負担を軽減します。

さらに、定期的なメンテナンスや部品交換のサポートも確認しておくと安心です。効果的にアシストスーツを活用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。

最後に、導入後のフォローやアフターサポートが充実しているメーカーを選ぶことで、長期的な安心感が得られ、アシストスーツの活用効果を最大限に引き出すことができます。

パワーアシストスーツ導入の総括

アシストスーツは作業者の腰や身体の負担を軽減する目的で開発された商品であり、現場環境の改善や負担軽減に貢献します。

腰痛は社会的に大きな問題となっており、アシストスーツの導入が注目されています。

ユーピーアール株式会社は数千社のデモ実績をもとに、導入を検討している方に分かりやすくご提案しています。

補助金や助成金の申請方法やメーカーによるサポート体制を理解することで、パワーアシストスーツ導入の効果を最大限に発揮できます。

今後の労働環境改善や作業者の負担軽減に向けて、アシストスーツの導入を検討することが重要です。